○処遇改善とは
介護職員の定着率の向上や他職種との賃金水準格差の改善を目的として、2009年度より「介護職員処遇改善交付金」制度が開始されました。
この制度は2012年度より財源が国から介護保険保険制度の財源へ移り、新たに「介護職員処遇改善加算」となりました。加算になったことにより、利用者様に負担が生じることの説明と理解が必要となり、また事業所にもサービスの質の向上の努力が求められるようになりました。
2019年、消費税増税に伴う介護報酬改定に合わせ、経験・技能のある介護職員の更なる処遇改善を目的として「介護職員等特定処遇改善加算」が「介護職員処遇改善加算」へ上乗せする加算として創設されました。
また2022年には超高齢化社会に向けた介護人材不足解消に向け、介護職員の賃金のベースアップを目的とした3つ目の処遇改善「介護職員等ベースアップ等支援加算」が創設されました。
○「見える化要件」とは
介護職員処遇改善加算を算定するためには、
・キャリアパス要件
・職場環境要件
を満たす必要があります。
「見える化要件」とは、介護サービス情報公開制度や法人のホームページ等を活用して、加算の取得状況や職場環境要件実現のための具体的な取り組みを公表することです。
○職場環境等に関する取り組みについて
6つの区分があり、更にそれぞれの区分に4つの内容項目が設けられています。
当法人では、各区分毎に1つ以上の取組を実施しています。具体的な内容は次のとおりです。
区分 |
内容 |
当法人の取り組み |
入職促進に向けた取り組み |
職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取取り組みの実施 |
福祉系学校や介護人材育成事業所から介護実習の生受け入れを行っています。 地域に向けたイベントとして「まごころ祭」を開催し、また地区敬老会を始めとする多くの地域行事へ積極的に参加しています。 |
資質の向上やキャリアアップに向けた支援 |
働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援 |
研修等の受講費用を法人が負担します。また研修を受ける時間を労働時間として取扱います。 |
研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動 |
職位、職責、職務内容に応じた任用要件の規定と人事考課制度を導入し運用しています。 |
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エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入 |
メンター制度を導入しています。 |
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両立支援・多様な働き方の推進 |
職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備 |
就業規則で時短勤務や正職員転換について規定しています。 |
腰痛を含む心身の健康管理 |
介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、介護ロボットやリフト等の介護機器等導入及び研修等による腰痛対策の実施 |
田川市の助成事業により介護ロボット(負荷軽減スーツ、利用者様体調把握システム)を導入しています。また定期的に研修を開催し、技術指導を行っています。 |
短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施 |
定期健診を実施しています。また、隣接する家屋を購入し、職員の休憩所として活用しています。 |
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事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備 |
苦情・相談・事故対応マニュアルを整備し、委員会にて定期的に見直しを行っています。 |
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生産性向上のための業務改善の取組 |
タブレット端末やインカム等のICT活用や見守り機器等の介護ロボットやセンサー等の導入による業務量の縮減 |
記録のためのタブレット端末を導入し、職員の負担軽減を軽減しています。 |
やりがい・働きがいの醸成 |
ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善 |
朝礼・終礼、申し送り書、毎月2回実施する全体研修等により職員間の情報共有を図っています。 |
地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施 |
まごころ祭、フリーマーケット、カフェ等の開催により、不特定多数の地域の方々との交流を図っています。地域の小学生や団体による慰問も行われています。 |